大会長挨拶

ご挨拶

第37回日本手術看護学会年次大会
大会長 諌山 三絵


 第37回日本手術看護学会年次大会は、第36回担当の東海地区よりバトンを受け取り、九州地区が担当させていただくこととなりました。開催日程は2023年10月27日(金)、28日(土)で、福岡国際会議場他にて開催を予定しております。第37回年次大会につきましては、会場で皆様方と共に語り合えるよう、第36回年次大会と同様にハイブリッド開催で準備を進めております。開催の要綱については、随時HPにてお知らせいたしますので、ご確認くださいますようお願いいたします。

 さて、本年次大会のテーマは、「進化し続ける周術期看護 -多様な価値観への対応-」と題しました。新型コロナウイルス感染症パンデミックを経験し、医療活動を続けるうえで、様々な困難に直面し周術期に関わる私たち医療者にも多大な影響を及ぼしました。そしてニューノーマルな生活とともに新しい生き方・働き方を模索しなければならない時代が到来し、私たち手術室看護師も時代の流れに対応し、さらに進化し続けていく必要があります。
 社会は超高齢社会を迎え、高齢患者の治療方針は家族と医療者で決定され、患者不在の意思決定が行われる場合もあります。また、キーパーソンが不在で独居高齢者も多く、術後のイメージを十分に理解できないまま手術が施行され、術前の生活に戻るためには社会的支援が必要となることもあります。さらに、高齢者だけでなく性別(ジェンダー)・宗教・外国人など多様化する患者の背景に合わせた柔軟な対応が、手術室看護師に求められています。
 一方で、医療技術の革新により治療選択肢が飛躍的に増え、患者・家族が手術を受け入れる過程において、治療内容の理解は難しくなり、意思決定すること自体に困難感を感じているケースも少なくありません。私たち手術室看護師は、手術を受ける患者に寄り添い、術前の外来における意思決定に加え、実際に手術を受け回復していく過程において、様々な専門的知識をもとにその人らしく手術が受けられるように支援していかなければなりません。
 このように多様な役割や価値観が求められる時代の中で、私たち手術室看護師も常に前に進み続ける必要があります。本年次大会では、どのような対象でも、どのような場所でも、どのような場面においても手術を受ける患者・家族が望む手術看護について考える機会にしたいと思い、プログラムを計画しております。

 年次大会は、周術期看護に携わる皆様にとって、様々な情報交換の場となり、新たな知見を得る実り多き機会です。皆様にとって、有意義な年次大会になりますよう九州地区役員一同、総力を挙げて取り組んでいきますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2022年12月