ご挨拶
第40回日本手術看護学会年次大会
大会長 佐々木 光隆
第40回日本手術看護学会年次大会は、第39回年次大会開催地区の東北地区よりバトンを受け取り、近畿地区が担当させていただくことになりました。開催日程は2026年11月21日(土)・22日(日)で、会場は大阪国際会議場を予定しております。第40回の記念大会となる年次大会も第39回年次大会同様、会場で皆様方と共に語り合えるよう、ハイブリッド形式の開催で準備を進めております。開催の詳細につきましては、随時HPにてお知らせいたしますので、ご確認くださいますようお願いいたします。
第40回年次大会のテーマは、「周術期看護の継承とシンカ―つなぐ技とこころで患者に寄り添う―」といたしました。テーマの「シンカ」には、深化、進化、新価、真価の4つのシンカを含んでおり、それぞれが周術期看護における重要な側面を象徴しています。
「深化」は、医療技術や知識、そして患者一人ひとりへの理解をより深く掘り下げることを意味し、「進化」は、現代の医療がより高次なレベルへ発展していき患者に最適なケアを提供していくことを示しています。さらに「新価」は、新しい医療価値を創造していくことであり、「真価」は、患者に寄り添い、命に向き合う看護の本質的な価値を表しています。このように「シンカ」は、周術期看護を築くための原動力となり、私たちの専門性をさらに高めるものとなります。
さて、超高齢化社会のなかで、周術期医療においてハイリスク患者や、様々な背景を持つ患者を対象に、高難度手術や低侵襲手術が増えています。手術を受ける患者は人生最大の困難に直面していると言っても過言ではなく、悩みや不安など、さまざまな思いを抱えています。また、現代は生命予後の改善だけでなくQOLの維持や向上をはじめ、価値観の多様化に伴い、医療に対するニーズも多彩となっていることから、患者の人生観や価値観を深く理解する「深化」が重要となります。
これまで、周術期看護は医療の進歩とともに発展し、時代の変化の中でその役割を広げてきました。私たち手術室看護師は、確かな知見と豊かな実践知を蓄積し、つなぐ技とこころで患者に寄り添いアドボケーターとして役割を果たしています。更に多職種と連携し、円滑な手術進行に寄与しています。こうした歩みの中で、多様化する医療現場では日々技術革新が進み「進化」を続けています。このように現代医療の技術進歩は目覚ましく、かつては手術対象としては難しかった高齢者や複数の基礎疾患を有するハイリスク患者にも、前述したように手術の機会が広がっています。私たち手術室看護師はこの「進化」に柔軟に対応することが求められます。さらに今後は、これまでの医療や看護の枠組みにとらわれず、未来を見据えた新たな視点や技術を取り入れ、連携によって創出される「新価」により、医療全体の質向上に貢献していくことが求められます。
このように、これからの医療が大きく変化しようとも、私たちが積みあげてきた知見と実践知、そして、つなぐ技とこころで患者に寄り添う姿勢は、変わることのない看護の本質となる「真価」です。この第40回という記念すべき大会を通じて看護の本質を見つめ直し、周術期看護の継承とシンカについて考える機会になるよう、本部役員、近畿地区役員一同、総力をあげて取り組んでいきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。



